私たちは、最高裁が一日も早く再審を開始するように、最高裁に対する行動を考えています。その一環として、11月20日(月)に 東京・再審を求める会と共に最高裁判所に要請書を提出することになりました。
1980年(昭和55年)11月19日、最高裁判所は袴田さんの無実の訴えを無視し上告を棄却してしまいました。 この上告棄却によって、袴田さんの死刑が確定し、死刑囚としての袴田巌さんの生活が始まったのです。最高裁で上告が棄却されて以降、「確定死刑囚」としての25年にわたる拘禁は、袴田さんの心を徐々に蝕み、1985年頃より次第に拘禁ノイローゼがひどくなりました。姉・秀子さんとの面会の時に交わす会話も
「この中(東京拘置所)には、電波を出す奴がいて、痛くてかなわない」
「食事に毒がはいっている」「隣の房の人が使う水道の音がうるさくて眠れない」
などと、意味不明な内容が多くなっていきました。 また、顔にお菓子の袋をかぶった異様な姿で面会に来ることもありました。 明らかに精神の変調をきたしてきたのです。東京拘置所の報告書には、 “カニのようなまねをして、横に歩いて徘徊” “出された食事を全て水で洗って食べた” “ 缶詰以外は「毒が入っているから」と言って、差し入れを拒む” などの異様な行動が記録されています。
やがて、
「裁判など俺には関係ない」
と、弁護人との面会を拒否し、ついには毎月面会に行っていた姉・秀子さんには
「俺には姉さんなんていない。用はない。」
と、会わなくなっていきました。
このように、袴田さんの精神的なダメージはすでに回復不可能な状態かも知れません。 もう一刻の猶予も許されないのです。
そこで、私たち「袴田さんの無実」を信じている一人ひとりの声を「書面」に記し最高裁に提出したいと思います。
みなさんにお願いがあります。 内容は自由ですが、最高裁に提出する「書面」を、みなさん一人ひとりに、
自筆で書いて頂きたいのです。
書面のタイトルは「上申書」「要請書」「お願い」「訴え」など、自分が言いたいことを書いて下さい。 書いた書面は、当会にお送り下さい。 多くの「書面」をまとめて、最高裁に提出します。
以下、例文を示します。 参考にして下さい。
宛先
最高裁判所 第2小法廷 御中
事件番号 平成16年(し)第258号
「要請書」「お願い」「訴え」「上申書」など自由に
(案 1.) 私は貴最高裁判所に特別抗告を申し立てている、いわゆる「袴田事件」の犯人とされている、袴田巌さんの無実を信じている者です。
袴田さんは逮捕されてすでに40年に及ぼうとしています。 袴田さんの逮捕と、常識をはるかに超えた長時間の取り調べ。 被害者4人に骨まで切断するような傷を負わせ、死亡させたとするにはあまりにもお粗末な工作用の小刀を凶器とした判決。 そして、一審公判途中に出てきた5点の衣類の出現など、袴田さんを犯人とするにはあまりにも疑問が多いと思います。
ぜひ、一日も早く裁判のやり直しを行い、事件の疑問点を明らかにして頂きたいと思います。
日 付 (具体的な日付は当会で記入しますので、
月日は記入しないで下さい。)
住 所
氏 名
印
【要請書 郵送先】
424-0006 静岡市清水区石川本町16-18
袴田巌さんを救援する清水・静岡市民の会 宛